ジャスミンの中国茶の旅
旅日記

2004年4月20日(火) 晴れ  行き先:黄山市 黄山風景区

絶景の黄山風景区へ

無錫から寝台列車で約10時間、ようやく黄山に到着。目指すは黄山で最も高い山の”蓮花峰”。

列車の駅に着いた私はどうやって黄山の麓にある黄山風景区まで行けばいいか考えていた。
とりあえず黄山風景区行きのバスを探すことにした。すると駅の改札から私に目をつけていたと思われる中国人の男性が日本語で話しかけてきた。「よくある客引きだな」と思い無視して通り過ぎた。しかし彼は「どこへ行きますか?私のバスに乗りませんか?」としつこく付きまとってきた。私もうっかり「黄山風景区」と行き先を教えてしまった。すると彼「10元で連れて行きます!」と言う。距離的に10元は安い。後から高額な金額を請求されたら困るなという思いがよぎった。でもここで正規のバスを探していると時間をロスしそうだったので、彼に何度も金額を確かめて彼のバスに乗ることにした。彼はバス(ワゴン車)のなかで「今日の宿泊は天都山荘にしませんか?」と言って来た。なるほど、彼はホテルからマージンをもらって客を駅からホテルへ誘い込んでいるのだろう。天都山荘は”地球の歩き方”にも書いてあるホテルだった。ただし風景区のなかでも登山口に一番遠い場所にある。私はもう少し近い場所に宿泊するつもりだったが、言われるままに天都山荘に泊まることにした。ガイドブックにはシングル100元と書いてあったが、シングルの部屋は無くなっていた。あるのは4人部屋の140元とスタンダードルーム(ツイン)280元だった。私はホテルのフロントまで来ておきながら、ここまで連れてきた案内人の彼に「このホテルは値段が高いから別のホテルに泊まります」と言った。彼は困った顔をして「あなた学生ですか?」と日本語で聞いてきた。私が「違います」と答えると、彼は「あなたは学生です。値段は240元です」と言った。この山荘は学割が効くらしい。私は240元でこの山荘に宿泊することになった。学生証がなくても見た目が学生だったので問題なかったらしい。ちなみに駅前からここまでは1時間もかかったのに本当に10元だった。

ところが、このホテルから登山口まで自分でタクシーを拾って行ったら、わずか15分ぐらいの距離なのに50元もとられてしまった。いったいここはどうなってるのか!運転手は一切値引き交渉に応じない。でもここは観光地。仕方が無いので運転手にお金をはらい、いざ黄山登山開始だ。登山口には慈光閣という建物があり、その側で入山料(135元:約2,025円)を取られる。意外と高額だ。登山なので他の人についていけば間違いないだろうと思い、案内人が「100元で案内する」と言うのを「独りで行くからいらない」と言って断った。すると案内人(若い女性)が「独りでは行けない」と強く反対。いつまでも付いてくる。私は彼女に100元を払い案内してもらうことにした。後になって彼女の「独りでは行けない」の意味がわかった。それは、道順と言うよりも私の体力の問題だった。黄山を甘く考えていたことに気づかされた。黄山は山頂までずっと石の階段なのだ。歩くことには自信があった私だけれど、階段となると話は別だ。しかも今日は暑い・・・。独りだったら途中でへたって下山できなかったかもしれない(;´д`)ノ|  30分も経たないうちに私の足はがくがく、息は切れてしまうありさまだ。とてもじゃないが目指していた蓮花峰にはいけそうも無い。私は行き先を約200m低い山の玉屏楼に変更した。ここまで行けばロープウェイで慈光閣まで帰れるし、有名な迎客松や送客松を見ることも出来る。蓮花峰も眺めることができるからだ。
といっても玉屏楼までは6kmの道のりだ。急斜面の階段が6kmも続くかと思うとここへ来たのが間違いに思えてきた。


こんな階段がずっと続いている。

迎客松
私は片言の中国語で案内人さんと会話しながら休憩をとりつつなんとか玉屏楼まで登ることができた。途中小高い山から見える景色は絶景だ。道のりが苦しいぶん感動が大きい。何度も案内人さんに「加油(がんばれ)」と励まされた。しかも彼女は私の荷物を全部持ってくれたうえに、ちょっと山に入って杖の代わりの棒切れまで拾ってきてくれた。彼女は中国語で「買うと10元取られます」と顔をしかめて言った。下山するためのロープウェイ乗り場まで来ると、彼女は「自分と私の切符を買ってください。切符は60元」と言った。私は二人分の切符を買った。すると彼女は「私はここで友達を探さなければいけないので、貴方は先に降りてください。」と言った。私は内心「彼女は切符を払い戻して歩いて下山する気だな」と思ったが、そうまでして金を稼がねばならない生活環境なのだろうと思い、笑顔で「太謝謝了(本当にありがとう)」とだけ言って彼女とお別れした。
私が登山にかかった時間は3時間だ。その間ずっと荷物を持ってくれて、観光ポイントでは写真を撮ってくれて説明もしてくれたので、心から彼女に感謝していた。
ロープウェーで下山した私は人の流れにまかせて慈光閣へ戻ってきた。途中、山の中に猿がたくさんいた。筍を食べている姿がとても可愛い。

帰りはロープウェーで10分ぐらい・・・

猿を発見!

2004年4月21日(水) 晴れ 行き先:黄山市 
              古民家めぐり 宏村→西テイ(テイ=しんにょうの隣に弟)

世界遺産の安徽古民家群

今日は黄山市にある安徽古民家群のうちの二つの地区を訪れた。
安徽古民家群はユネスコの世界遺産に登録されていて、中国へ着たら是非行って見たい場所のひとつだった。無錫に滞在中お世話になったガイドさんから古民家群のなかでも「宏村は見る価値がある」と聞かされていた。しかし宏村と西テイは未開放区なため外国人は公安局から”外国人旅行証”という証書を発行してもらわなければいけない。独りで行くには難しい。ガイドブックに紹介されていた黄山市の旅行会社(日本部がある)にガイドを依頼しようかと思ったが、私は昨日天都山荘まで案内してくれた彼に相談することにした。彼の名前は黄さん。見た目は20代だが実際は30代だ。昨日の黄山での案内人の彼女といい黄さんといい童顔で若く見える。AM11:00、黄さんがホテルまで私を迎えに来た。彼には昨日「観光は他の旅行会社に依頼するから、午前中に黄山駅へ戻りたい」と言ってあったのだ。彼は約束の時間よりちょっと遅かったもののちゃんと迎えに来てくれた。今日は他のお客と一緒だ。彼は日本語、英語、フランス語を仕事の為に独学で覚えたそうだ。日本語は片言だけど、それにしてもすごい!そんな彼に今後の私の計画を相談。彼を信用することにした。

今日は古民家群を見学したいこと。それから黄山から武漢へ行きたいことも相談。私とローズの考えでは黄山市からは直接武漢へ行く方法がないので、一度上海に戻ってから列車で武漢へ行くという方法だった。ところが昨日、黄さんやタクシーの運転手さんに「黄山の次は武漢に行く予定」だと話したら二人とも「黄山からバスがある」と言うのだ。そんな情報はガイドブックにもローズからの情報にもなかった。しかし今日になって黄さんに「武漢までバスで行きたい」と言ってみたら、バスターミナルは天都山荘のすぐ近くの黄山風景区長距離バスターミナルで天都山荘にも停車するそうだ。AM6:40発 10時間で武漢へ到着する。列車を乗り継ぐよりも簡単で時間も早く到着する(上海を経由すると列車の待ち時間も合わせて約26時間かかる予定だった)。値段も155元と安い。なんてラッキーなんだ!早速、黄さんは「彼20分ぐらいで戻ります。」と側にいた男性に手数料5元で切符を買いに行くよう指示。私が切符代を出す際、少し疑っていると察した彼は「もし彼が切符を買ってこなかった場合は私が貴方にお金を返します」と言った。私はその言葉を信じて男性に切符代を預けた。しばらくして男性は切符らしき紙を持って帰ってきた。
これで明日の早朝には武漢へ出発することが出来る。


山のいたるところに茶畑がある

公安局のなか

黄山市の観光ポイントは離れて存在しているので時間と交通費がかかる。
中国はホテル代も交通費も人数で割り勘できるのだが、私の場合は独りなので何をするでも高くつく。黄さんに今日一日ガイドを依頼した場合の金額を聞くと、ガイド料は80元だそうだ。(普通は300元ぐらい:無錫では半日で250元だった。)。日本語は片言とはいえ安い・・・。ただし移動のタクシー代がいくらになるかわからないと言われた。とわいえ、ガイドブックの旅行会社で車をチャーターした場合400元と書いてあったので、それより安ければいいかという思いで黄さんにガイドを依頼した。

AM11:30、山荘を出発した私は中国茶のお店へ連れてってもらった。そこで黄山毛峰と太平コウ魁を試飲させてもらった。その後で黄さんから饅頭(マントウ)を御馳走してもらい、それを食べながら公安局へ。外事課なる部屋へ案内された私は公安局員から渡された書類を記入。ここで外国人旅行証を発行してもらった。許可証には有効日(今日の日付)と観光場所の宏村と西テイの名が書かれていた。
未開放区に入るたびに申請が必要なようだ。宏村も西テイも明、清の民家を保存した地区(ほとんどが清朝のもの)で、どちらも未だに人が住んでいる。だいぶ観光地化が進んでしまっていて、民家のなかは土産物屋が多い(特に西テイは多かった)。安徽古民家群のほとんどは近代になって修復されたものだそうだが、宏村は明清からの建物がそのままの状態で多く残っている。古民家の窓や牛足の彫刻がすばらしい。彫刻のなかには文化大革命の際に首を削られてしまったものもあった。黄さんは英語と日本語と中国語まじりで何かと細かく説明してくれた。
観光を終えたころには4時になっていた。黄山風景区から宏山までは、途中で中国茶のお店へ寄ったこともあって2時間ぐらいかかった。寄り道しなかったら1時間半ぐらいの距離だ。
西テイから天都山荘までの帰り道、農村の景色がすばらしかった。畑の多くが菜の花だ。もう花は散ってしまっていたが、風によそぐ黄緑色がとても綺麗だ。時折、牛が畑を耕している姿にも出くわした。黄さんに「機械は使わないのか?」と尋ねたところ、「機械は山に入りませんが牛なら問題ないです。平地なら機械を使います。」と返事が返ってきた。山が多いこの地区では機械で田畑を耕すことができないらしい。PM6:00 天都山荘へ帰ってきた。さて、タクシー代はいくらになっただろうか?タクシー代は470元(約7,050円)だった。ちょっと高いけれど黄さんのガイド料が安かったのと、明日はホテルから直接武漢へいける便利さを考えたら、それほど高い観光料ではないと思った。ちなみに黄さんのガイド料は今日私が訪れたルートの場合、通常もっと高い金額だそうだ。黄さんは「あなたは80元でいいや」と言って握手を交わして帰っていった。


宏村

西テイ 写真の門は明朝のもの



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